決着
彼の骨のかけらをずっと持っていた。
最初はガンジス川に撒いてきたいからと、
親指分くらいの骨をもらって、
で、その時は、全部川に投げ入れられなかった。
以来、旅行に行くたびに、ちょっとずつ川や海にまいてきた。
京都とかバリ島とか、あとはもう彼とは縁もゆかりもない四国の海とか
こうなってくると、逆に全部をぶちまけることができなくなって、
13回忌の節目に、ガンジス川に残り全部投げてやるということに決めた。
でも、実際ガンジス川を目の前にすると、
とても汚くて、、、というか不衛生で、蒔く気にはなれなかった。
バラナシの〇〇〇ハウスの屋上にほんの少しのかけらを置いて、
ずっとガンジス川が眺められるように、
残りのかけらは、インドのビールと一緒に飲んだ。
これで彼の骨は私の手元からは一切なくなった。
本当は、またガンジス川の河原で週刊プロレスを燃やして届けてあげたかったけど、
旅立つ前にバタバタしててそんなの忘れてたし、
行ってみたらガートは水位が上がってなくなってたし、
実際できなかっただろうから、まあ、いっか。
死んでもう10年以上経ってるのに、
まだ、こんなに考えてやってんだありがたく思えバカヤロー。