ポロポロ

文芸漫談を聞きに行った。
今回のお題は田中小実昌の「ポロポロ」。

物語性の回避、拒否という話になって、
私が葛藤してたのはそういうことなのかな、と思った。

自殺というエキセントリックな死に目にあって、
物語に持ち込もうとしていた自分に
違和感を持ちながら、戦ってたのかなーとか。

ちょうど7回忌あたりで末井さんの本を読んで、
すでにポロポロの境地になっていたスタンスが
その時の私には新鮮でショッキングだったのであろう。

でも私が死んですぐ読んでたいろんな本やブログも
思い返してみればポロポロだったのかもしれない。
あたしがそういう風にできなかっただけで、
今読み返したら、ポロポロと感じるのではないか。

だから、私が彼の死のすぐ後に末井さんの本を読んでいたら、
心に響かなかったかもしれないし、
私のブログを死後直後に読んでる人がいたとしたら、
何にも感じないのかもしれない。

私はかわいそうではないし、
死別は誰にでも起こることだし、
それをただ受け止めればいい。
そこに何か意味とか価値とか見出したりする時期は
過ぎたのだと思った。

でも私は逆に、毎日ポロポロやってるし、
それがあたり前になっている。